インフルエンザ予防投与

インフルエンザ予防投与について

インフルエンザの治療薬であるタミフルやイナビルなどは、感染予防薬として使用することができます。

予防投与の対象は添付文書上、「インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族または共同生活者である下記のものを対象とする」と記載されています。

✓高齢者（65歳以上）✓慢性呼吸器疾患　または　慢性心不全患者
✓代謝性疾患患者（糖尿病等）　✓腎機能障害患者

なお、インフルエンザ患者と接触後48時間以上経過した場合は、予防投与の対象外となります。

インフルエンザ　予防投与（適応外使用）

当院には受験や資格試験を控える学生の患者様が多数通院されているため、これまでかかりつけ患者様で希望される方のみ、インフルエンザに対する予防投与（適応外使用）を行ってまいりました。
予防投与について多くのお問い合わせを頂く現状を鑑み、今後かかりつけ患者様以外のご希望にも対応させて頂きます。

なお、適応外使用で予防投与した場合、大きな副作用などが生じた際に国の「医薬品副作用被害救済制度」の対象となりません。
自己責任での投与となりますが、受験生やそのご家族、大切なイベントがある方など、様々なご事情から適応外での予防投与を希望される場合は、当院へご相談ください。

適応の有無に関わらず、予防投与は全て自費診療（全額自己負担）となります。

対象年齢

✓15歳以上　もしくは　✓12歳以上かつ体重40kg以上

予防投与薬

当院では、オセルタミビル（タミフルの後発医薬品）とイナビルの2種類を取り扱っています。

いずれも投与開始から10日間程度、70-90%の発症予防効果が見込まれます。
上記費用には診察料、薬剤費が含まれます。薬剤は院内処方です。

主な副作用

オセルタミビル、イナビルは比較的安全性の高い薬剤とされていますが、副作用のリスクはゼロではありません。以下に臨床試験などで報告されている主な副作用を記載します。

〈重大な副作用〉

ショック（頻度不明）、アナフィラキシー（頻度不明）：失神、呼吸困難、蕁麻疹、血圧低下、顔面蒼白、冷汗等があらわれることがある。
気管支攣縮（頻度不明）、呼吸困難（頻度不明）。
異常行動（頻度不明）：因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動（急に走り出す、徘徊する等）があらわれることがある。
皮膚粘膜眼症候群（頻度不明）、中毒性表皮壊死融解症（頻度不明）、多形紅斑（頻度不明）。

〈その他の副作用〉

過敏症：（0.5％未満）蕁麻疹、（頻度不明）発疹、紅斑、そう痒。
消化器：（0.5％％以上）下痢、（0.5％％未満）胃腸炎、悪心、嘔吐、腹痛、口内炎、腹部膨満、食欲減退、腹部不快感。
精神神経系：（0.5％％未満）めまい、頭痛。

予防投与の注意点

• 予防投与薬処方は予約制です。必ず事前に電話予約（099-813-7548）をお願いします。
• 予防投与することで、インフルエンザの発症が100％防げるわけではありません。
  　予防投与を開始する前に感染していた場合など、予防投与中にインフルエンザを発症することがあります。その際には治療に切り替えますので、電話連絡後に受診してください。
  
• インフルエンザ予防の基本は手洗い、人混みでのマスク着用、十分な栄養・睡眠、発症者とできるだけ接触しないことです。当院が予防投与薬の適応外使用を積極的に推奨するものではありません。薬を使用する前に、上記の予防策をしっかり行ってください。