大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)について

大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)のイメージ

肛門から内視鏡を挿入し、大腸、回腸末端を観察する検査です。
当院では人工肛門造設状態にある患者様も多いため、人工肛門からの内視鏡検査も行います。

大腸カメラは前日からの準備が必要なため、完全予約制としております。
検査をご希望の方は、まずは事前の診察予約をお取りください。検査について説明、下剤等をお渡しした上で、後日検査を行います。

また、胃カメラと同様に、麻酔を使用する場合は当日の車両(自動車、バイク、自転車等)の運転ができません。公共交通機関、もしくは送り迎えでの来院をお願いいたします。

大腸カメラでわかる疾患

大腸がん 大腸ポリープ 潰瘍性大腸炎 クローン病 感染性腸炎 虚血性腸炎 腸結核 腸型ベーチェット病 大腸憩室症/憩室炎 痔核 など

大腸カメラの準備

腸内に便が残っていると、せっかく検査しても十分な情報が得られません。前日から準備を行い、完全に腸の便を出し切った状態で検査を行います。

前日の準備
前日朝から、消化の良い食事を摂って頂きます。確実なのはレトルトの検査食を薬局で購入して頂くことですが、ご自身で食事を工夫されてもかまいません。
前日眠前に、下剤を内服して頂きます。
当日の準備

朝から絶食です。水・お茶は飲んで構いませんが、その後下剤をたくさん飲みますので、あまり多くは飲まない方が良いでしょう。

定期薬については、血圧の薬のみ朝6時ごろ内服してください。他の薬は検査終了後に内服して頂きます。詳しくは外来でご説明致します。

当日の下剤については、朝からご来院頂き院内で内服するか、ご自宅で内服して頂きある程度便が出きってから来院頂くか、ご都合のよい方を選んで頂きます。

下剤には水タイプ(サルプレップ®、モビプレップ®、ニフレック®、マグコロールP®)と錠剤タイプ(ビジクリア®)があります。ご希望に合わせてご選択いただけます。

大腸カメラは痛い?

内視鏡を挿入する際に腸の一部が伸びたり、癒着部を通過したりするときに痛みを生じることがあります。
当院では日本消化器内視鏡学会の専門医が、可能な限り痛みを生じないよう、愛護的に検査を行います。
ただ、これまでお腹の手術歴がある方などで、時々痛みを感じることがあります。胃カメラと同様、ご希望の方には麻酔を使用することができますので、ご相談ください。

大腸ポリープ切除

検査中に大腸ポリープを発見した場合に、その場で切除することがあります。
小さめのポリープ(5mm前後まで)は、スネア(細い針金の輪)で絞扼しそのまま切除します(コールドスネアポリペクトミー:CSP)。
それ以上の大きさのもの、CSPで精確な切除が難しいと判断した場合は、スネア+高周波装置を用いて切除します(内視鏡的粘膜切除術:EMR)。
ポリープを切除する際には出血や穿孔といった合併症のリスクがありますので、事前に説明致します。
また、出血のリスクが高いもの、がんの可能性が高いもの等は、当日の切除は行わず、高次医療機関へ紹介させて頂きます。

大腸検査の流れ

大腸検査のイメージ
1. 問診
アレルギーや検査歴、既往歴、内服歴、手術歴などを問診します。
2. 着替え
検査中衣服が汚れることがあるため、検査着と検査用パンツに着替えます。
3. 鎮痙剤(腸の動きを止める薬)を注射
内視鏡挿入・観察を円滑に行うため、鎮痙剤を注射します(静脈注射もしくは筋肉注射)。
4. 鎮静剤を注射(希望者のみ)
鎮静剤を注射します(静脈注射)。
5. 内視鏡を挿入
左を下に横向きになり、検査を始めます。必要に応じて、仰向けなどに体位変換します。
痛みがあるときは遠慮なくおっしゃってください。
6. 大腸の内部を観察
まずは最深部まで挿入し、カメラを抜きながら回腸末端、大腸を観察します。
必要に応じて生検やポリープ切除を行います
7. 検査終了
一通り観察を行ったら検査は終了。個人差がありますが、検査時間は15分から20分程度です。
  • ※状態によっては、さらに時間をかけて検査・処置を行うこともあります。
  • ※麻酔を使用した場合は、1時間程度休んでいただきます。