消化器内科・胃腸科について

消化器内科・胃腸科のイメージ

消化器内科では、食べ物の消化や吸収に関わる臓器(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆道、膵臓など)に発症する病気を対象とし、その診断や治療を行います。このうち胃と腸の病気を専門に診る診療科が胃腸科です。

このような症状は
ご相談ください

  • お腹の調子が悪い状態が続いている
  • 胃が痛い(痛みが引いても、しばらくして痛みがぶり返してくる)
  • 胃もたれ
  • 吐き気
  • 胸やけ
  • 食後に背中が痛くなる
  • 便秘がち、下痢を繰り返す
  • 血便が出た
  • 身体の皮膚や粘膜が黄色くなった(眼球の白目が黄色くなった)
  • 食欲がない
  • 体重が急激に減少した
  • 顔色が悪いと言われる
  • など

消化器内科、胃腸科の代表的な疾患

食道の病気

地域の医療機関で診療する食道の病気としては、逆流性食道炎が代表的です。胃酸を含む胃内容物の逆流により、食道の粘膜がただれたり、潰瘍が出来ることもあります。肥満傾向のある40~60歳代の男性に多いと言われてきましたが、最近は年齢・男女を問わず逆流性食道炎を発症する患者さんが多くなってきました。代表的な症状は胸焼け、呑酸(すっぱさや苦みを感じる)、鳩尾(みぞおち)の痛み等ですが、それ以外にも、吐き気、喉の痛み、発声障害、慢性的な咳などが見られることもあります。内服治療で多くの方が改善しますので、上記のような症状でお困りの際は是非ご相談ください。

また、たばこを吸われる方、かつお酒を飲んだ時にフラッシングがある(顔が赤くなる)方は、食道癌に罹患しやすいことがわかっています。定期的な胃カメラ検査をお勧めします。

胃・十二指腸の病気

胃・十二指腸の病気としては、急性胃炎、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん等があります。

このうち急性胃炎は、胃の粘膜に炎症をきたして急激に上腹部が痛み出す病気です。様々なストレス、刺激の強い食事、感染症、一部のお薬などが原因となります。お酒についても、過剰に飲みすぎてしまうと胃に負担がかかりますので、ほどほどにすると良いでしょう。

慢性胃炎には様々な種類があります。表層性胃炎などは症状がない限り治療を要さないことが多いですが、萎縮性胃炎を呈する場合にはピロリ菌の感染(現感染・既往感染)を考えます。ピロリ菌感染が疑われる場合は、当院での検査・治療が可能です。慢性胃炎によって強い症状が出ることは稀で、胃の辺りの違和感程度、もしくは無症状の方が大半です。

胃や十二指腸にできる潰瘍の多くは、ピロリ菌感染、もしくは薬剤(特にNSAIDs:非ステロイド系消炎鎮痛薬)が原因で発症します。強い痛みを訴えて来院される方もいらっしゃれば、軽い違和感や、食欲が少し落ちたなどの軽微な症状で来院される方もいらっしゃいます。特に十二指腸潰瘍は、深くなると穴が開いて手術が必要になることがありますので、軽い症状であっても、症状が持続する際はお早めに当院をご受診ください。

胃がんは罹患率が非常に高い悪性腫瘍の一つであり、進行した状態で発見された場合は救命できないこともあります。しかし、早期の段階で発見・治療すれば、十分に治癒が期待できるようになりました。がんが胃の表面(粘膜層)に留まっている状態で発見できれば、外科手術をすることなく、胃カメラで切除することも可能です。鹿児島には信頼できる内視鏡治療医がいらっしゃいますので、早期胃がんを発見した場合には早急に紹介させて頂きます。自覚症状が無いからと言って安心せず、1年に1回は胃がん検診を受け、早期発見・早期治療できるようにしましょう。

小腸や大腸の病気

小腸や大腸に関係する頻度の高い疾患としては、便秘症、感染性胃腸炎、大腸憩室炎・憩室出血、虚血性大腸炎、大腸ポリープ、大腸がんなどがあります。 このうち便秘症は、腸のぜん動運動と水分吸収のバランスが崩れ、便が正常に排泄されなくなった状態です。生活習慣の改善とともに、適切な内服治療でコントロールすることができます。詳細は「便秘・下痢」の項目に記載しています。
感染性胃腸炎は、細菌やウイルスなどの感染により、嘔吐や下痢、腹痛、血便などを引き起こす病気です。夏場は細菌性の感染性腸炎(食中毒を含む)、冬場はウイルス性の感染性腸炎(ノロウイルスやロタウイルスなど)が多くなります。いずれも軽症例では4,5日程度で自然に改善しますので、水分がしっかり摂れていれば、特に受診せず経過を見て良い病気です。
ただ、下痢の回数が多すぎたり、嘔気で水分が摂れなかったりして脱水症のリスクがある場合や、0-157などの腸管出血性大腸菌による食中毒などの場合は、受診・治療が必要です。
感染性腸炎は人から人へ感染するリスクが高いため、受診前にまずは電話で医療機関に問い合わせることをお勧めします。

大腸ポリープは、大腸粘膜の一部がイボのように隆起する病変です。放置すると癌化しやすいタイプもあるため、適切な時期に切除します。当院では日帰りでの大腸ポリープ切除を行っております。

大腸がんは、発症部位別死亡者数において男性では肺がん、胃がんに次いで第3位、女性では第1位となっています。50歳代から年齢が上がるにつれて罹患率が上がってきますが、20歳代から40歳代の若年者で発症することも稀ではありません。
胃癌と同様に、早期で発見すれば内視鏡治療もしくは外科手術で根治が期待できます。しかし、痛みやお腹の張りといった症状が出た時には、がんがある程度進行していることが多いのが現状です。
症状が全くなくても、中高齢の方は大腸がん検診を欠かさないようにしましょう。

胆のう・胆管・膵臓の病気

胆のう・胆管・膵臓の病気で多いのは、結石による胆のう炎や胆管炎、胆のうポリープ、胆のう腺筋腫症、胆のうがん、急性/慢性膵炎、膵がんなどです。
胆のう・胆管・膵臓をまとめて胆道系臓器と呼びますが、当院では腹部エコーを用いて胆道系の検査を行います。

より詳しい治療や検査にはCTやMRI、特殊な内視鏡等が必要になることが多く、その際には専門病院へご紹介させて頂きます。

膵炎や胆のう炎は強い痛みを伴うことが多く、背中まで痛みが広がることも多くあります。いずれも重症化すると治療自体も難渋しますし、特に重症膵炎は命に関わります。また、膵炎自体が治癒しても合併症により長期間の治療を要することもあります。お腹や背中に強い痛みが起こったときはお早めに医療機関を受診し、深刻な状況でないかチェックするようにして下さい。